「経営は本部が考えること」現場の協力が得られず赤字経営に陥っている社会福祉法人が採った人事制度改革
何を言っても批判的な立場をとられる
何度も改善の取り組みに着手してきたが失敗し、経営幹部にまで諦めの雰囲気が漂っている「社会福祉法人すいたの郷」。
赤字の原因は一つではありませんが、最も根っこにあるのが「現場職員の協力意識の低さ」。どのような改善策を打ち出しても、「経営は本部が考えること」と冷ややかな態度。
- 利用者のためにならない
- それでは職員を守ることができない
現場職員はともかく、管理者までもが真っ先に批判的な立場をとってしまうのです。
このままでは取り返しのつかないことになる…。危機感を覚えた理事長は、コンサルタントの宮森に相談し、職員の意識改革に着手するのでした。
人事制度改革に舵を切る
各事業所の管理者にヒアリングを実施した宮森は、唸り声を上げました。
管理者や現場職員の「意識」に問題があることは、間違いありません。しかし、そのようにさせてしまったのは、経営のやり方、環境づくりにも問題があったからでしょう。
「経営の在り方そのものを変える必要があるかもしれません。『人事制度改革プロジェクト』を発足しましょう」
宮森の提案に、理事長は大きく頷き、意思決定するのでした。
赤字経営から一転、3,000万円の黒字に
職員を巻き込んだプロジェクトの結果、驚くことに翌年には3,000万円の黒字に転換しました。
- 赤字経営から一転、3,000万円の黒字を実現
- 現場職員も、経営を意識しながら仕事に取り組むようになった
- キャリアアップが明確になり、若手職員が成長意欲を持てるようになった
どれだけ赤字が続いても全く無関心だった職員たちが、一緒に経営のことも考えながら現場を回してくれるようになりました。
よい経営には、職場をよくする、働く人を幸せにするチカラがある。このことを身に染みて体験した理事長でした。
よい経営には、職場をよくするチカラがある。